“dead-end background”

労働

引っかかる言葉

“a dead-end job”

ある記事 (注1) にたまたま見かけた“a dead-end job”という言葉に何か引っかかるものを感じ、“dead-end”を『現代英語力標準用例集』に採録した。“a dead-end job”には「夢も希望もない仕事」という無難な日本語を充てたが、“dead-end”という語がまず私に連想させたのは「どん詰まりの」という日本語であった。

HS容疑者 (注2) がこれまで従事した「ホテルの仲居」「葬儀店」「釣具店やパチンコ店」店員を“a dead-end job”に分類できるかどうかはともかく、総じて低賃金であったろうと推測されるこれらの仕事を「夢や希望にあふれた」仕事に分類することが難しいのは、自余の多々ある(特に低賃金)賃労働職の場合と同じであろう。

“dead-end background”

“dead-end”はさらに私に“dead-end background”という言葉を想起させた。HS容疑者関連記事(注2)を読んでのことだと言わねばなるまい(記事の内容を具体的に紹介する気には到底なれない)。この言葉に相当する無難な日本語は「袋小路の環境」であろうが、私の頭の中では「どん詰まりの生まれ育ち」という日本語が執念く渦巻き続けている。

HS容疑者の生まれ育った環境を”dead-end”と評せるかどうか、大報道媒体の垂れ流す種々の《情報》(さほど当てにすべきものではないと自らに言い聞かせている)を専らの情報源としている私には判断のしようもない。

実在する 「どん詰まりの生まれ育ち」

しかし、「どん詰まりの生まれ育ち」は空想世界にのみ存するものでないらしいことは、例えば、Dark Ghettoの著者Kenneth B. Clarkを取り上げた千百語強ほどの短い時論No Holiday From Tragedy (By Colbert I. King)(注3)に目を通すだけで容易に思い知らされるのである。

他人事ならぬ”dead-end daily life”

さてもさても、他人事ならぬ”dead-end daily life”にはどんな日本語を充てたらいいものやら。

記 〇六年六月七日(水)

(注1)
Untapped Talent (By BOB HERBERT, The New York Times ON THE WEB, June 5, 2006)

PC版『現代英語力標準用例集』 スマホ版『現代英語力標準用例集』 「形容詞」の項参照。 “dead-end” は、ある辞書には、「行き止まりの; 発展性[将来性]のない, 先の知れた〈仕事など〉; 《口》 貧民街の, 貧民生活の, 夢も希望も失った, やけっぱちの, 無法な.」[株式会社研究社 リーダーズ+プラスV2]とある。

(注2)
職を転々、破産、「子ども嫌い」…秋田事件の HS容疑者(asahi.com/、2006年06月05日01時47分)
日替弁当”秋田鬼母、男と動機…ふしだらな行動 Aちゃん追い出し部屋に男連れ込む…(ZAKZAK 2006/06/05)

(注3)
No Holiday From Tragedy (By Colbert I. King, Washington Post.com, Saturday, May 7, 2005; A17)
Dark Ghettoについては次のような一文がある。

「1965年に出版された”Dark Ghetto”は、黒人社会で作用している悲劇的にして酸酷で破壊的な諸力を大胆に伝えた。」[Published in 1965, “Dark Ghetto” spoke courageously about the tragic, cruel and destructive forces at work in the black community.]

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